リタイア後の55歳からあこがれの「海外ひとり暮らし」を強い意志と実行力で実現した永田朝子のホームページ
 
 
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 リンクネット・オーストラリア 代表取締役

2005年3月 取材

西本 直樹さん

 


1962年和歌山県生まれ。豪州在住18年目。
シドニーでコンピュータサービス会社社長の西本直樹さん。
ホーム・ページ「朝子 in Sydney」 の制作で大変お世話になりました。

西本さんはコンピュータサービス会社の他に、企業ネットワークライオンズクラブでのボランティア活動など、広く活動されていらっしゃいますが、Positive Thinkingでいつも元気な西本さんに来豪のきっかけや今後の目標などお話を伺いしました。

Q. 「朝子in Sydney」のホームページ制作の際は、お世話になりました。

いえいえ、どういたしまして。しかし個人でこんな立派なホームページを持っていらっしゃるのは朝子さんぐらいではないでしょうか?

オーストラリアで活躍する同胞を引き立てる内容で、日豪交流に大いに貢献しているのではと思います。今後もぜひ続けてください。

Q. ありがとうございます♪ 西本さんのサポート&アドバイスのお陰です。
ところで、在豪暦18年目と伺いましたが、そもそも来豪のきっかけは?

日本で最初に就職した会社のあるプロジェクトへの参加がきっかけでした。
就職した会社は、大阪にある中堅の印刷会社、従業員数が300名強の会社だったのですが、そのコンピュータ部門に配属され、当時のいくつかの最先端技術を組み合わせて、お客様の製品の一つ、海外輸出向け電子機器の英文テクニカルマニュアルの製造工程を全て自動化しよう!という試みでした。

Q. もう少し詳しく教えていただけますか?

当時、まだコンピュータと言うのははしりのころで、IBM社最初の事務用パソコンが売り出されたのが1981年。私が就職したのはその2年後の1983年、日本ではまだパソコンが一般に出回っていない頃の話です。

田舎の小さな会社でしたが、当時の印刷会社としては、いろいろ最先端の技術を導入していて結構お金かけてましたね。私はシステムズ・エンジニアとして、汎用コンピュータと電算写植機のインターフェース開発や人を介さない自動写植データ処理システムの開発に携わっていました。使用していた言語はCOBOL。一つのプログラム開発のコーディング量が1万ステップを越えるような開発作業もやってました。もうとにかく忙しく、週に一回は必ず徹夜しないといけないほど。月間残業時間が最高で200時間を越えたり、4ヵ月間無休といったこともありました。労働基準法などまったく関係なかったですね〜

働き始めて2年ほど働いた頃、顧客の方であるプロジェクトが立ち上がって、それに会社代表で関わることになり、当時、英文テクニカルマニュアルを制作する時は、文字の入力、翻訳、編集処理、製図描き、写植などの各工程が分離されていて、人が介さなければいけない作業がまだまだ多かったのですが、それぞれコンピュータ化され始めた新しい技術を用い全工程を人が介す必要のない完全自動化を実現しようと言うものでした。

文字入力はワープロ、翻訳はコンピュータ自動翻訳、編集処理は汎用コンピュータ、製図描きはCAD、写植は電算写植という新しい技術です。

Q. 専門的過ぎて良く分からないというのが正直な感想ですが、それがどうして来豪のきっかけに?

英文テクニカルマニュアルの制作ということで、お客様の担当者や制作に関わった関係者、例えば翻訳会社の人たちなど、みんな英語が流暢に話せ、ミーティングが英語だったんです。ミーティングには一人外国人の方も入っていました。

そのメンバーの一人、翻訳会社の社長だった方に帰り道、カフェに誘っていただいて、アメリカを放浪して会社を興すまでの体験談などを伺い、それが凄く夢のある話で…。もしかして自分にもできるかも?と大それたことを思ってしまったことがきっかけとなりました。

Q. それで直ぐに来豪されたのでしょうか?

いいえ。その時はまだ23歳だったかな?実はそれまで国内旅行も一人で行ったことがないほどで、海外に旅行したこともなかったですし、飛行機にもまだ乗ったことがありませんでした。ということで、まずやったことが、多くの皆さんも経験していると思いますが、当時滅茶苦茶高かったのですが英語の教材と英会話クラスがセットになったものをローンを組んで買いました。確か80万円ぐらいだったと思います。大枚をはたいたのだからと、超多忙な仕事の合間をぬって、クラスに行った翌日は徹夜で仕事をカバーして… という感じで何とか週一回クラスに通って、夜も教材を使って約一年頑張って勉強しましたが、結果は全く変わらずじまいで。

当時の日本社会は、まだまだ年功序列、終身雇用などの制度が残っていて、私などの若輩者は最後に帰宅するというような状況があり、これはもう無理だなぁと。それで、最後の手段として海外に住むしかないと考えて。それにはお金、軍資金が必要ですよね。 安月給の会社で4年間働いても全く貯金もできなかったので、そうと決めた後、直ぐに退職願を出しました。

上司だった部長には非常に可愛がってもらっていたので、辞めづらかったのですが、最終的には理解してくれ、無事円満退職。当時の部長とは今でも連絡を取りあっています。余談ですがその部長も私が辞めた後、直ぐに独立起業してしまいました。

さて、退職後、お金をためるために割りのいい仕事を探し回ったのですが、1ヶ月が過ぎ、ろくに仕事も見つけられず困っていたところに、態度が非常に横柄なおじさんが現れ、最初は嫌なやつだなぁと思っていたのですが、他に当てもなかったので、渡豪資金を作るために会社を辞めて仕事を探しているんだ!といった話をしたところ、「じゃ、何ぼ欲しいんや!」、「よし分かった。出してやろう。」ということで、急遽仕事が決まり、その後は順調に10ヶ月間で無事渡豪資金約100万円貯めることができ、渡豪の夢が実現しました。鳥越さんという方でしたが恩人の一人です。

Q. 1987年、25歳の時に来豪されたということですが、最初の会社を興したのは?

最初はワーキングホリデーと言うビザで一年の滞在予定でしたから、まさかここで起業するとは思っていなかったのですが、英語の勉強のために永住権ビザを取得するしか方法がなく、だめもとでコンサルタントにも頼まず全くの個人で申請したら取れてしまったんです。
その後、1993年11月に偶然知り合ったオージーとNZ人と意見が合い、彼ら二人と初めて顔をあわせてから二週間後には会社を興していました。当時400社ほどあったオーストラリアの日系企業を対象にコンピュータサービスを提供する事業です。ちなみにそのNZ人は日本で外資系企業向けにIT関連サービスを提供する事業をしています。

Q. 本業の他にも企業ネットワークライオンズクラブでのボランティア活動などしていらしゃいますが、プライベートの時間など取れないのでは?

そうですね。それに最近は、本業は何ですか?と皆に忘れ去られてしまっています。あくまでも本業はコンピュータコンサルタントです。ホームページの制作やコンピュータサポートを行っていますのでお忘れなく!特に最近はオーストラリアの企業に対して日本語サポートを提供しています。

Q. 来豪暦18年目、起業してから12年目ということですが、できれば今後の目標や夢をお話いただけますか?

“日本食文化を通じて日本の文化を欧米人に伝達する事業”を何とか興せないかと、動き回っている最中です。商業化できるかどうかは微妙なところですが、今後はこのような日豪間や日本と海外の交流に貢献できるビジネスに関わって行きたいと思っています。

それからもう一つ。2003年7月に旧ヨーヨー会の主要メンバーの皆さんと設立した非営利団体“企業ネットワーク”の組織をより確実なものにしていくこと。個人・中小企業のビジネス支援、起業支援を行うことを目的に設立しましたが、まだまだこれからの組織です。フルタイムのスタッフを雇用し、より充実したサービスを提供していくことで、多くの成功者を輩出していけるような組織にして行かなければいけません。企業ネットワークの設立にあたっては、理事の皆さん、それから特に落合迪夫さん、登代さんご夫妻に大変なご支援とご協力をいただいて、ようやく形にすることができましたが、これからが勝負になってくると思います。「企業ネットワークがあったから今の私がある!」と言っていただけるような組織になるよう今後も邁進していくつもりですのでご支援よろしくお願いします。

最後になりますが、自分の体験を通じて一人でも多くの企業家を生み出せていければ!と思い、日々ブログの書き込みにも励んでいます。ぜひ、お立ち寄りください。
ドリームゲートブログ http://dblog.dreamgate.gr.jp/user/nishimoto/sydney/
企業ネットワークブログ http://plaza.rakuten.co.jp/kigyonetwork/

 

大変興味のあるお話でした!西本さんには、企業ネットワーク&異業種交流会とお世話になっていますが、いつも人脈の広さに驚かされます。今後とも私達を魅了し、ご活躍して頂きたいと思います。本日は“愉しいひと時”を有難うございました!(^^♪

リンクネット社のホームページは http://www.lincnet.com.au

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